skip to main |
skip to sidebar
ゆっくりと
大きい螺旋を描いて
あなたは もどってくる
すこし 大人びて
海にのびた橋をわたり
こころに置いた椅子に
すわってほしい
月かげの生れし東のあかければ
オリオン遠く女神守る見ゆ
初春の餅搗きせむとや月うさぎ
かげあかあかといそぎて上る
こころにあいた
真っ暗な洞穴に
すっぽりはまって
眠ってしまおう。
目が醒めたら
ちがう自分が
きっとそこにいる。
悲しみが融解して
真っ黒な膠のように
胸いっぱいにひろがる
なぜこんなにも速く
時はいってしまうのか。。
あなたは知っているだろうか
ボールを拾おうとした一瞬
校庭の土ぼこりのなかで
まっ白なソックスがきらりと光ったのを
白い靴下の素敵なお兄さん。。
病院の廊下を
足をするように
前を横切る老人
重なる面影が
とてつもなく悲しくて
こうやって
あっという間に
私たちは死んでしまうのだろう
わたしは怖い
あなたが老いてしまうことが。
束ねらる 芒のそばに 松飾り
つごもりに 蹲りたる 鴨八羽
家の周りに沢山の素材がある。
侘びた時節には１７文字が
良く似合う。
クリスタルのなかで
ワインがおどっている
ロンドに昂揚したかおり
「のんでみる？」
「ひとくちだけね」
脳にひろがる蒼
しびれと余韻
踊りにつかれて
佇んでいるのか・・
つよい風が吹いても
けっしてその火が消えないように
てのひらで
ほのほをそうっと蓋って。
もろくてはかない
繋がりだから
ゆらめくたびに
むねはせつない
